カミニウモレタものがたり~伊那谷舞台ができるまで

 

 

 


はじめに・・・

 

11月11日・12 日#世界平和記念日に向けて
天竜川弁天港 厳島神社でスタートした舞台稽古。

【カミニウモレタものがたり】

昨年、18歳の夏音と24歳の瑞希と、、、親子で号泣した神戸の舞台。
是非、伊那谷でやってもらおう!!と軽々思ってたのだけど

神さまは、どうもただじゃ済ませないようで
今回も、ものすごくサプライズでドラマチックな展開を用意してくれた。

なんと、、

この舞台を作った神戸の清水章代ちゃん(役:佐々木禎子)の相手役
「アンネ・フランク」として瑞希にオファーがきた。

章代ちゃんは劇団ひまわりなどで劇人として関西で活躍後、ソロで活動。
東日本大震災後、東北に数年移住し復興の手伝いや地方の伝統文化などを学んだ後、
神戸にて演劇講師も務めたり、インターネットラジオのパーソナリティなどで、
全国各地飛び回り、昨年、5年ぶりに舞台「カミニウモレタものがたり」を発表した。

それから、私たちが2013年から2016年に製作したダンスミュージカルムービー
『だれもしらないみつばちのものがたり』を関西各地で上映しながら人々を繋げ、
開港150周年神戸まつりではみつばちから始まる生物多様性パレードまでに盛り上げてくれた。



そんなご縁があってのアツいオファーだったけど、
瑞希はしばらく悩み、断った。

ダンサーとして10歳からステージに立ってきて
20歳を過ぎたころから
踊るとは、何か、なぜ踊るのか。
舞台で踊るって、なんなのか。
生きていく上で、それは必要なのか。
ここ数年ずっと、考えてきたように思う。

今回いただいたオファーは、踊るだけでなく「役」がある。

ミツバチになって踊ったこともあったけど
もっと、リアルに誰かを感じて演技する。
それはとても簡単には引き受けられないと思ったようだった。

ところが
夏至の日に劇人・身体表現者の章代ちゃんと、筆アーティストのもたいえみさん、
あるもの活かすアップサイクル作家の荒川みーちゃんと、瑞希、私はピアノで

自分の中にあるエネルギーを好きなように表現し、互いの響きを感じあい共鳴しあう
「自分たちのためのライブ」で素晴らしい時間を過ごし

 

その流れの中で再度のオファーを頂いて、この舞台を受けた。

今度は「アンネ・フランク」ではなく、章代ちゃんが長年やってきた「佐々木禎子ちゃん」の役だった。

瑞希の挑戦に、家族みんなで支えたいという気持ちもあって
頭で考える前に感じよう。ということで、広島へ向かった。


(天竜弁天港 厳島神社から、広島宮島の厳島神社へ。)

今回の舞台がなければ、なかなか行けなかった広島。
なんとなく、直面したくない気持ちがあったのだと思う。


言葉にならない怒りがフツフツとわきあがっていた。
普段はあれこれ想いを語りあう私たち家族も
この日は、とても会話が少なかった。

瑞希の大きな一歩で
一気に近づいた広島。
でも、彼女はそれからずっと、
何か心に溜め込んだような微妙な感じが続いていた。

いよいよ、初リハーサルの数日前となり
改めて、舞台について話すと

彼女の中にあった違和感が爆発した。

「絶対にその人にもなれないし、その人の本当の気持ちになんてなれないのに
台本通りに、そのシーンがきたら、そういう気持ちのふりをするなんて
自分には気持ちが悪くてできない!今更だけど、すごく後悔している。」と

普段静かな瑞希の爆発っぷりには驚いたけど、相当溜め込んでたんだろうな。
そして、ものすごく真っ正面から向き合っていたんだな。と思った。

でも、私も、章代ちゃんも
なったつもりの舞台だとは思ってなかった。

章代ちゃんが幼きころ、広島で過ごした日々に感じてきた禎子ちゃんの存在。
時に悲しみ、怒り、そのままを演劇にぶつけた時もあるという。
きっとその怒りは、私が広島で感じたものと似ているかもしれない。
似ていたとしても、決して同じではないのだけど。

時を経て、五年ぶりに作品を書きながら彼女が感じた禎子ちゃんの魂は
犠牲者の姿ではなく「生きる」力であり、希望や光だったそうだ。

「カミニウモレタものがたり」

決して禎子ちゃんという役を演じるんではなく
「杉浦瑞希」の心で感じたことを、「杉浦瑞希」の身体で思いっきり表現する舞台だということ。

瑞希が心のうちを爆発して出し切った後、
私にも、瑞希にも、その答えにそれぞれがたどり着いていた。

偶然にも、舞台公演日は世界平和記念日 。
平和って何か。
広島でフツフツと湧き上がったあの怒りのままでは、決して始まらないなと思った。
でも、犠牲者を美化するようなことでもないと、章代ちゃんも、瑞希も、私も、わかっている。

家族や親戚のような仲間たちに
少しずつ、この気持ちをシェアしながら一歩ずつ前へ進み
いよいよ、舞台づくりが本格的に動きだした。

11月11日,12日に向かって

多くの皆さんと感じ合いたいと思います。

呼びかけに涙を流して聞いてくれた仲間。
一緒に動き出してくれた仲間。
いつも、いつもありがとう。

そして、またその向こうにいる仲間たちに
届けて行きたいと思います。

 



 

ジャンベ演奏者 Kackeyくんより

メンバー紹介。………………………………………………………………………………

相変わらず日本国中を駆け回っている清水章代、
7月にアメリカでネイティブ・アメリカン、アニシナベ族のサンダンスに参加した隆君。
※サンダンス:飲まず食わずで自分の身体にピアスをあけて紐を結び、樹に括り付けて数日間踊る。
最高潮に達したときに身体からピアスを引きちぎる。グレートスピリッツと繋がる神聖な儀式

このメンバーで集まるのは3月以来か?

前回佐々木禎子役だった清水章代がアンネ・フランク役にコンバートし、佐々木禎子役は前回お客さんで来てくれていた長野在住のみずきちゃんが担当する。
舞台は室内と野外。
前回同様に水の表現が出て来るが、加えて今回は火を使う。
薪能のような舞台になるのか。
火(カ)と水(ミ)。
登場人物が生きていた広島、オランダ、ドイツ。

空間と時間を繫ぐ舞台になるよ。

written by清水章代(アンネ・フランク)

日本にこんな場所があったんだ
しかも兵庫県内

今日はアンネ・フランクにまつわるドキュメンタリー映画を鑑賞

これを経て、今春にした舞台「カミニウモレタものがたり」を、
アンネ役で長野で再演する

18の時、初めてアンネの役をしたときに発した台詞が、その後の私にはどうしても「理想」から現実におろすことができなかったけど、
でもずっと追いかけてはいた。

そして今春の舞台で自分の作品に初めて登場させ、仲間とともに葛藤しながら一歩ずつ歩めていることに私が一番力をもらい、
今回縁あって、今度はアンネをやる。

あまりのタイミングに、アンネ自身が歩み寄ってきてくれた気がした。

辛い面の多い映画ではあったけど、だからこそ先へ進めていかないと、と思う。

大事なものを受けとりながら。

ありがとう。
今日につながる全ての軌跡に感謝です